金帛きんぱく)” の例文
「まず、遼東りょうとうへ使いをはせて、鮮卑せんひ国王へ金帛きんぱくを送り、遼西りょうせい胡夷勢えびすぜい十万をかり催して、西平関せいへいかんへ進出させること。これ一路であります」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
難民の小倅こせがれどもがまだあきらめきれずに金帛きんぱくの類を求めてゐるのでございませう。……かうしてさしもの桃華文庫もあはれはかなく滅尽いたしたのでございます。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
それや、あんた知れきっているじゃありませんか、なぜ今日、督郵閣下の前に出る時、賄賂まいない金帛きんぱくを、自分の姿ほども積んでお見せしなかったんです。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
難民の小倅こせがれどもがまだあきらめきれずに金帛きんぱくの類を求めているのでございましょう。……こうしてさしもの桃華文庫もあわれはかなく滅尽いたしたのでございます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
いよいよ帰る日となると、朝廷からはおびただしい金帛きんぱくが贈られ、孔明以下、文武百官もみな錦や金銀を餞別はなむけた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廖化はまた、せめて路用のたしにもと、金帛きんぱくを献じたが、それもって断ったけれど、その志には深く感じて、関羽は別るるに際して、この緑林の義人へこう約した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄徳は、関羽と張飛を呼んで仔細を語り、また供に持たせてきた金帛きんぱくの礼物を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄徳はほっとして、老女侍女など千余人の召使いに、莫大な金帛きんぱくを施した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
使者には充分な馳走をし、土産には金帛きんぱくを送って、懇ろに城門へ送った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)