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醇乎
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じゅんこ
ふりがな文庫
“
醇乎
(
じゅんこ
)” の例文
まず窯の人たちの貧しい暮しが、かかる素朴な
醇乎
(
じゅんこ
)
たる美を生んでいる大きな基礎だということを、感ぜざるを得ないのです。
多々良の雑器
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
元義の歌は
醇乎
(
じゅんこ
)
たる万葉調なり。故に『古今集』以後の歌の如き理窟と修飾との厭ふべき者を見ず。また実事実景に
非
(
あらざ
)
れば歌に詠みし事なし。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
水もとまらず、影も宿らず、そのお尻は
醇乎
(
じゅんこ
)
としてお尻そのものであり、明鏡止水とは、又、これである。
行雲流水
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
吾人の性情を瞬刻に
陶冶
(
とうや
)
して
醇乎
(
じゅんこ
)
として醇なる詩境に入らしむるのは自然である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すなわち山陽の山陽たる
所以
(
ゆえん
)
であって、彼は漢詩の
糟粕
(
そうはく
)
を
嘗
(
な
)
めている男では
無
(
ね
)
え、むしろ漢詩の形を仮りて日本を歌ったものだ、彼に於て、はじめて
醇乎
(
じゅんこ
)
たる日本詩人を見るのだ、意気と
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
彼は高瀬家を流れる暗い血の最も
醇乎
(
じゅんこ
)
たる継承者として、盲目の力に押されて私たちの生活面に躍り出、一役買つたに過ぎないのだ。彼の不気味な相貌は、よくこの間の事情を説明してゐる。
母たち
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
そして精神のうちにさわやかな柔らかい
潤
(
うるお
)
いを生じさして、
醇乎
(
じゅんこ
)
たる思索の、あまりに
峻厳
(
しゅんげん
)
な輪郭をなめらかにし、処々の欠陥や
間隙
(
かんげき
)
をうずめ、全体をよく結びつけ、観念の角をぼかしてくれる。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
松陰はもとより
醇乎
(
じゅんこ
)
として醇なる志士の典型、井伊も幕末の重荷を背負って立った
剛骨
(
ごうこつ
)
の好男児、朝に立ち野に分れて斬るの殺すのと騒いだ彼らも、五十年後の今日から歴史の背景に照らして見れば
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
醇乎
(
じゅんこ
)
たる雅美生活に終始し得られたのである。
魅力と親しみと美に優れた良寛の書
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
醇乎
(
じゅんこ
)
たる感謝の一念である。おまけに、火口自殺というものは、棺桶代も、火葬の面倒もいらない。火口ではオペラグラスの賃貸料がもうかる始末で、後始末の方は全然手間賃もいらないのである。
安吾巷談:05 湯の町エレジー
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
“醇乎”の意味
《名詞・形容動詞》
純粋なさま。
(出典:Wiktionary)
醇
漢検準1級
部首:⾣
15画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“醇”で始まる語句
醇化
醇朴
醇粋
醇
醇々
醇良
醇粋味
醇中
醇厚
醇白