辻番つじばん)” の例文
漸くに二人し事なれば吉之助にせる物なく其夜はみぎの三布蒲團を吉之助に着せ夫婦は夜中やちう辻番つじばんだいて夜をあかしけれども是にては主人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
絶えざる低い大太鼓おほだいこの音に例のごとく板をバタバタたゝく音がきこえて、左手の辻番つじばん小屋のかげから仲間ちゆうげんござかゝへた女とが大きな声で争ひながら出て来る。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
板倉屋敷のそばまで行くと、角のもち屋の天水桶てんすいおけや一ト手持てもち辻番つじばん小屋の陰からムラムラと人影が立ちあがった。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
平次はここをい加減に切り上げて、二丁目までの途々みちみち、二カ所の辻番つじばんと、一丁目の町木戸まちきどに訊いてみましたが、源左衛門は、表通りを避けて、ゆっくり歩いた様子で
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
辻番つじばんのおやじが手作りの鉢の朝顔も蔓ばかり無暗に伸びて来たのが眼に立った。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)