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辰子
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たつこ
ふりがな文庫
“
辰子
(
たつこ
)” の例文
「さっき見掛けたけれど、わたしの番じゃないから降りて来たのよ。あの人、
先
(
せん
)
に
辰子
(
たつこ
)
さんのパトロンだって、ほんとうなの。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしまだそのほかにもまんざら用のない体ではなかった。彼女はちょうどこの機会に、妹の
辰子
(
たつこ
)
の恋愛問題にも解決をつけたいと思っていた。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
辰子
(
たつこ
)
は細い声で、
囁
(
ささや
)
くようにこう云った。が、
初子
(
はつこ
)
は同情と云うよりも、むしろ好奇心に満ちた眼を輝かせて、じっと令嬢の横顔を見つめていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俊助
(
しゅんすけ
)
と
辰子
(
たつこ
)
とは、さっきの応接室へ引き返した。引き返して見ると、以前はささなかった日の光が、
斜
(
ななめ
)
に
窓硝子
(
まどガラス
)
を射透して、ピアノの脚に落ちていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかしその割に彼女や
辰子
(
たつこ
)
の家庭の事情などには沈黙していた。それは必ずしも最初から相手を
坊
(
ぼっ
)
ちゃんと
見縊
(
みくび
)
った上の
打算
(
ださん
)
ではないのに違いなかった。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
須田町
(
すだちょう
)
の乗換で
辰子
(
たつこ
)
と分れた俊助は、一時間の後この下宿の二階で、窓際の
西洋机
(
デスク
)
の前へ据えた輪転椅子に腰を下しながら、漫然と
金口
(
きんぐち
)
の
煙草
(
たばこ
)
を
啣
(
くわ
)
えていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
辰子
(
たつこ
)
は姉の向うに坐ると、わざと
真面目
(
まじめ
)
にこんなことを言った。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
辰
漢検準1級
部首:⾠
7画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“辰”で始まる語句
辰
辰巳
辰刻
辰雄
辰年
辰蔵
辰砂
辰刻半
辰猪
辰夫