みず)” の例文
ソレも理窟の分らぬ小輩ならばもとよりよろしいが、争論の発起人でしきりに忠義論を唱えて伯夷はくい叔斉しゅくせいを気取り、又はそのみずから脱走して世の中を騒がした人達の気が知れない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
頃日けいじつ脱稿だっこうの三十年史は、近時きんじおよそ三十年間、我外交がいこう始末しまつにつき世間につたうるところ徃々おうおう誤謬ごびゅう多きをうれい、先生が旧幕府の時代よりみずから耳聞じぶん目撃もくげきして筆記にそんするものを
その理を案じそのはたらきを察し、たちまち得たるが如くにして又乍ち失い、恍としてみずからその身の在る処を忘れ、一心不乱、耳目鼻口じもくびこうの官能もほとんど中止の姿を呈したるその最中に
人生の楽事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)