トップ
>
蹌々踉々
>
そうそうろうろう
ふりがな文庫
“
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)” の例文
二人が立去ると間もなく、これは
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として妙応寺坂を東へ、同じく関の藤川の方へと
彷徨
(
さまよ
)
い行かんとするものらしい。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その樽と、枕を左右に蹴飛ばした奈良原翁は、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として
昨日
(
きのう
)
の医者の玄関に立った。診察中の医者の首筋を、例の剛力でギューと掴んで大喝した。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
、村道を風に吹かれて歩み、一つの
桟橋
(
かけはし
)
の向うから、谷川ぞいの道を、のぼりまた降り、いつか夜はとっぷりとなったのも忘れ顔に、鼻唄で歩いた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ニュッとあごをつき出し、幽霊のように
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
と歩きながら、口の中につぶやいてゆくのを聞けば
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
小野さんは
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として来た。ただ蹌々踉々の意味を説明しがたいのが残念である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
病犬
(
やみいぬ
)
のように
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として、
僅
(
わず
)
かの
買喰
(
かいぐ
)
いに
餓
(
うえ
)
をしのぐよりせんすべなく、血を絞る苦しみを忍んで、漸くボストンのカリホルニア座に開演して見たものの、
乞食
(
こじき
)
の群れも同様に
零落
(
おちぶ
)
れた
俳優
(
やくしゃ
)
たち
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
せっかく、飛び出した男が持て余している時に、柳橋の角から、星明りの
闇夜
(
やみよ
)
に現われた人影が一つ、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として
此方
(
こなた
)
に向いて歩いて来ます。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
智深は手をたたいてうち笑い、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
、どろんこになって、ほどなく五台山へもどってきた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として歩み且つ止まり、この世の人が、この世の道をたどるとは思えない足どりで、それでも迷わんとして迷わず、さして行くところは、いのじヶ原の一軒家。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
武松
(
ぶしょう
)
が酒屋を出たころは、まだ
午
(
ひる
)
さがりまもなくだったが、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
の足どりのまに、いつか千古の樹林の先が血みたいな夕陽に染まり、そのくせ足もとはもう陰々とほの暗い。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかもその逃げぶりが
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として頼りないこと、巣立ちの鳥のような歩きぶりであります。手を伸ばせば、
羽掻
(
はがい
)
じめになりそうな逃げぶりでありましたから老人は
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
片側は
榎並木
(
えのきなみき
)
、ところどころに一膳飯屋、牛の
草鞋
(
わらじ
)
をぶら下げた家などがあり、人通りもごく稀なので、今しも、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
と、千鳥足を運んでゆく一人の浪人にも、誰あって、
鞘当
(
さやあて
)
をする心配がない。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蹌
漢検1級
部首:⾜
17画
々
3画
踉
漢検1級
部首:⾜
14画
々
3画
“蹌々”で始まる語句
蹌々