起居おきふし)” の例文
かみの本宅のほうにも隠して住ませておくことはできたのであるが、そうしたみじめな起居おきふしはさせたくないとして別居をさせ始めたのであって
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
とにかく今日まで、離庵はなれの丹下左膳のうえに、なんとなく心もとない起居おきふしが続いていたのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
少くとも現在いまのお心境こころもちでは。……その心境拙者にはよく諒解わかりまする。……さて拙者おいとまつかまつる。拙者どこへ参ろうと、この血曼陀羅の紙帳を釣って、起居おきふしいたすでござりましょう。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たのしく起居おきふしともにした時代じだい現世げんせらしい気分きぶん復活ふっかつしてたのでした。
菖蒲あやめの寮に優雅みやび起居おきふしをしていて、風にも堪えぬほどなよやかに見える御方、その女に、どうしてこんな秘練の妙手があるのだろうか? ——しかも御方は、重左の杖を引かせもせずに押さえつけて
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)