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賣代
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うりしろ
賣代なすならば少しばかりの錢にはならん父御の
口に
叶ひし物を
調へてなり
進らせよと
件の
櫛を
與へしかば娘は之を
賣代なし其金を
持藤八樣へ相談申て何方なりと再び縁を
求めよや其後
自然我事を思ひ出せし日もあらば只一
遍の
回向をと云ばお節は
恨めしげに九助の
面を
欺き
賣代成せし處
聢と身元請人等相調べず
抱へ置候段行屆かざるに付
過料三貫文申付る尤も小夜衣事は
直に證文
差許し岩井村百姓十兵衞
身寄太郎作へ引渡し
遣すべし