買冠かひかぶ)” の例文
ひげするんではない、吾身わがみいやしめるんだ、うすると先方むかうでは惚込ほれこんだと思ふから、お引取ひきとり値段ねだんをとる、其時そのとき買冠かひかぶりをしないやうに、掛物かけものきずけるんだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
我等は今人は買冠かひかぶらねど、古人を買ひ冠ることはまれなりと為さず。又同じ今人にしても、海の彼岸ひがんにゐる文人を買ひ冠ることはしばしばなり。然れども彼等も実際は我等と大差なき人間なるべし。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)