“かひかぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
買被66.7%
買冠33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
知らないがためにある物を価値以上にめづらしがり、又はそこに達し得ないがためにその位置を非常に買被かひかぶつたりしたことはないだらうか。
自からを信ぜよ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
湯浅氏がモウパツサンに少しも肖てゐないやうに、誰も鎌田氏を読書人どくしよにんだと思ふものも無からうが、当人になつてみると、世間がそんなに買被かひかぶりをしてゐるらしく思はれるものと見える。
ひげするんではない、吾身わがみいやしめるんだ、うすると先方むかうでは惚込ほれこんだと思ふから、お引取ひきとり値段ねだんをとる、其時そのとき買冠かひかぶりをしないやうに、掛物かけものきずけるんだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
我等は今人は買冠かひかぶらねど、古人を買ひ冠ることはまれなりと為さず。又同じ今人にしても、海の彼岸ひがんにゐる文人を買ひ冠ることはしばしばなり。然れども彼等も実際は我等と大差なき人間なるべし。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)