諸卿しょけい)” の例文
諸卿しょけいの素直なる御賛同を得たるも、教訓する者みずから率先そっせんして実行せざれば、あたら卓説も瓦礫がれきに等しく意味無きものと相成るべく
花吹雪 (新字新仮名) / 太宰治(著)
車寄くるまよせには、誰彼の参内の諸卿しょけい牛輦くるまが、雑鬧ざっとうしていた。舎人とねりや、牛飼たちが、口ぎたなく、あたりの下に争っている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
欧州の天地、即今戦報のもたらす以外、別に這箇しゃこの大戦争あるを看過されずんば、洪図こうとを固むるは諸卿しょけいわざ、この物語の著者のごときはすなわち筆硯ひっけんを焼き、退いて書癡しょちに安んずるを得ん。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
と、踊り狂っているさまが、はるか、玉座の御間近おんまぢかにある堂上諸卿しょけいの席からも眺められたとみえ、その辺りの無数な顔もことごとく紅潮をたたえ、また微笑ほほえみをふくんでいた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きれいなのを三、四人呼ぼうじゃないか。どうだ諸卿しょけい
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)