言淀いいよど)” の例文
言淀いいよどんで見えたので、ここへ来い、とかまえを崩して、すきを見せた頬杖ほおづえし、ごろりと横になって、小松原の顔を覗込のぞきこみつつ
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「君はどう思うか知らんが」と三吉は言淀いいよどんで、「どういうものか家がウマくいかない……僕の考えでは、お雪は生家さとへ帰した方が可いかと思うんです」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「妙なことをくようだが。……」と言淀いいよどみし声をひそめ「お前、子を持ったことがあるのかい。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と岸本は言淀いいよどんだ。岡はそんなことに頓着とんじゃくなく
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「え、」と滝太郎は言淀いいよどんで、かおの色が動いたが、やがて事も無げに
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稲垣の細君は何遍か言淀いいよどんだ。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
少年は言淀いいよどみぬ。お貞は襟を掻合かきあわせ、浴衣の上前を引張ひっぱりながら
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と何かきながら言淀いいよどんで
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)