見現みあら)” の例文
用意をして来た懐刀ふところがたなを、帯へ差したままつかを握り、見現みあらわされたら女ながらも、切り捲くってやろうと構えている。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
清水重二郎様のおたくは此処から丁度四軒目しけんめで、一つ長屋に敵同志かたきどうしが住んで居ながら、れでは知れないはずだ、よし/\五日の晩には見現みあらわして、三千円の金を取返して
職のために探りにはいッて、見現みあらわされた山役人や岡ッ引であると言います。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手に取って見現みあらわされたら大変です。
不思議な帽子 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「いやそのまま」と云いながら葉之助は座を構え、「邸に妖怪あやかしいたる由、殿にも気の毒に覚し召さるる。拙者せっしゃ今日参ったはすなわち妖怪見現みあらわしのため。殿のご厚意疎略そりゃくに思ってはならぬ」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)