覆滅ふくめつ)” の例文
すなわち豊臣氏は覆滅ふくめつしたが、徳川氏の政治は緒についたばかりという、混沌と統一、絶望と希望、平和と不安、秩序と放埓ほうらつ、闇と光明など
私は、この男の帰還を待って、早速さっそく全世界覆滅ふくめつの毒瓦斯を発明する鬼として、全力をあげ全財産をげうって発明官と一緒にやるつもりです
壮図そうと覆滅ふくめつはもちろん、一味堂上の人々、盟約のある諸侯、みな断絶か自滅か、アア、それ以外にえらぶ道はない
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
脳髄に関する従来の汎世界的迷信を一挙に根柢から覆滅ふくめつさせて、この大悪魔「脳髄」の怪作用……ノンセンスの行き止まり……アンポンタンの底抜けとも形容すべき簡単、明瞭な錯覚作用の真相を
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして景燿けいよう六年の秋、一挙に蜀中に攻め入って、その覆滅ふくめつぐべしと、鄧艾とうがい鍾会しょうかいを大将として、無慮数十万の大兵は、期して、魏を発し、漢中へ進撃した。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「つまりね、彼奴はわれわれの海底都市を覆滅ふくめつしようとしているのにちがいない。覆滅だ。分るかね、この海底都市を大破壊し、われわれを死滅させようと考えているんだと思う」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
内外同時に覆滅ふくめつして、この一郡を占領しようというつもりでしょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)