要津ようしん)” の例文
ここが水路の要津ようしんであるゆえに、すなわち水の海道とつけたのだろうという一説を、あるいはそうかとも思ったことがあるが、今考えると町の名に街道は少しおかしい上に
水海道古称 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
鳥羽の要津ようしんをひかえ、淀川の流れをひいて、即ち、城ぼりめぐらすの水とし、堺の繁華は眼下に近く、中国、朝鮮、南方諸島に通う無数の交易船をそこに繋ぎ、奈良街道は遠く大和やまと
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もはや、無視することが出来ない要津ようしんになった。松前藩は運上所を置き、幕府は奉行をおいた。近ごろあわただしく替る支配者のうち、最初に来たのは五稜郭ごりょうかく政府の役人であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
王朝の頃大江匡衡おおえのまさひらは『見遊女序ゆうじょをみるのじょ』を書いてこの川筋の繁昌はんじょうをしるし婬風いんぷうをなげいているなかに、河陽ハすなわチ山、河、摂、三州ノ間ニ介シ、天下ノ要津ようしんナリ、西ヨリ、東ヨリ、南ヨリ、北ヨリ
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
下野塩谷しおや阿久津あくつ村は、鉄道開通の前は奥州交通の一大要津ようしんであった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)