“阿久津”の読み方と例文
読み方割合
あくつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此處で食ふ鮎は、皆阿久津あくつ附近の鬼怒川から持つて來るのである。その代り、岩魚いはながゐる。かじかがゐる。赤腹あかつぱらがある。中禪寺湖では大きな驚くやうな鰻が獲れた。
日光 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
江戸参覲の折、野州やしゅう阿久津あくつの鬼怒川が出水して川止めになり、宇都宮へ戻って、四日あまり滞在なさったが、旅費を使い果され、川は開いたが、渡りもならない。
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
阿久津あくつといふ標札に掛けかへられたのは、それから、一年も後のことであつたが、廉介は、ともかく妹から金を受け取るとすぐに、娘の梨枝子を残して、しばらく旅に出ると云ひ、家を離れた。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)