はだ)” の例文
ベルを押すと、半身はだかで、胸の毛のもじゃもじゃした大きい男が出てきて、運転手と何か早口で、喋っている。ちっとも分らない言葉である。
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
はだけられた胸部には、丁度ちょうど心臓の真上のところに、細長い穴がぽっかりいて、その口元には、白い肉片がむしり出ていた。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
それが今じゃ、はだかで地面じびたに寝ても平気だし、草までむしゃむしゃやれるまでになった。結局この方が気楽さね。何にも欲しいとは思わねえ、何にも怖いとは思わねえ。
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
火酒ウォッカのように澄み切った空気のなかを、うそ寒い日光が白くそそいで、しっとりと去年からの塵埃ほこりをかぶった建物と、骨の高いはだかのどろ柳と、呪文のようなポスタアを貼った広告塔と
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
いつのまにか、大チャンはパンツ一枚のはだかだった。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)