表梯子おもてはしご)” の例文
と私のかおを見て微笑にッこりしながら、一寸ちょいと滑稽おどけた手附をしたが、其儘所体しょていくずして駈出して、表梯子おもてはしごをトントントンとあがって行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それより小道具衣裳方あり廊下のはずれより離れて団洲だんしゅうの室に至る。小庭こにわをひかへて宛然さながら離家はなれやていをなせり。表梯子おもてはしごのぼれば猿蔵さるぞう染五郎二人ににんの室あり家橘栄三郎これに隣してまた鏡台を並ぶ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)