衝動しようどう)” の例文
この赤い部屋の出來事があつた後、私はひどい、永びく病氣にかゝらなかつた。たゞそれは、私の神經に衝動しようどうを與へた。その反響を今日まで私は感じてゐる。
都て不快な衝動しようどうあたへたにかゝはらず、しかも心には何んといふことは無く爽快そうくわいな氣が通ツて、例へば重い石か何んぞにせられてゐた草のが、不圖ふといしを除かれて
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まつからはみんみんぜみやう松蝉まつぜみこゑくすぐつたいほどひと鼓膜こまくかるひゞいてすべてのこゝろ衝動しようどうする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それはさうと、私の最もおだやかな氣持ちが衝動しようどうを受けようとしてゐる。そんな豫感がしますよ。さあ、それが實際になるかどうか見る爲めにとゞまつてゐらつしやい。
それで何等の衝動しようどうが無いといふことはあるまい。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)