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薬壜
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くすりびん
ふりがな文庫
“
薬壜
(
くすりびん
)” の例文
最初の一回だけは、彼は薬局の窓口から
薬壜
(
くすりびん
)
と
薬袋
(
くすりぶくろ
)
とを差出した。すると、美しい眼がすぐ窓口から次郎をのぞいた。そして
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
午後
二人
(
ふたり
)
は家を出た。小山は画板を肩から
腋
(
わき
)
へ掛け
畳将几
(
たたみしょうぎ
)
を片手に、
薬壜
(
くすりびん
)
へ水を入れてハンケチで包んだのを片手に。自分はウォーズウォルス詩集を
懐
(
ふところ
)
にして。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
小指の
尖
(
さき
)
で、中身をポンと落しメリメリと
外箱
(
そとばこ
)
を
壊
(
こわ
)
して裏をひっくりかえすと、弦吾はポケットから
薬壜
(
くすりびん
)
を出し、
真黄
(
まっき
)
な液体をポトリポトリとその上にたらした。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
スールディ夫人はその死を聞いた時、
薬壜
(
くすりびん
)
を取り寄せて塩剤を
嗅
(
か
)
ぎ、嘆くのを忘れた。そういう場合には恋も続くものではない。汚水だめは恋の炎を消してしまう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
この方はそれで、硝子板とゼラチンと
外
(
ほか
)
に
薬壜
(
くすりびん
)
が四、五本並べば、もう仕事が始められたのである。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
僕等はそんなことを話しながら、幾つかの硝子窓を
覗
(
のぞ
)
いて歩いた。窓かけはどれも厳重に「悠々荘」の内部を隠していた。が、ちょうど南に向いた硝子窓の
框
(
かまち
)
の上には
薬壜
(
くすりびん
)
が二本並んでいた。
悠々荘
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なんだか、
薬壜
(
くすりびん
)
のようだネ」
万事
(
ばんじ
)
を
了解
(
りょうかい
)
したらしい様子の帆村が、
低声
(
こごえ
)
で云った。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
薬の時間でもないのに、ひょいと
薬壜
(
くすりびん
)
をとり上げ、その目盛をすかして見たり、栓をぬいてみたりした。また、ぽかんとして庭を見つめていて、急に気がついたように母の顔をのぞいたりした。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「ボラギノールの
薬壜
(
くすりびん
)
は?」
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
壜
漢検1級
部首:⼟
19画
“薬”で始まる語句
薬
薬研
薬鑵
薬罐
薬研堀
薬師
薬餌
薬売
薬缶
薬屋