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蔓薔薇
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つるばら
ふりがな文庫
“
蔓薔薇
(
つるばら
)” の例文
邸
(
やしき
)
の焼け跡では、
淋
(
さび
)
しく花をつけた
蔓薔薇
(
つるばら
)
の二、三枝を折りとった。あとで、石橋氏の墓前に、供えたいと思ったからである。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
校門をくぐると、校庭の
蔓薔薇
(
つるばら
)
などは虫食いだらけの裸になってしまって、木という木はおおかた葉を振り落していた。
泣虫小僧
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
花や
蕾
(
つぼみ
)
をつけた自然の
蔓薔薇
(
つるばら
)
の
垣根
(
かきね
)
からなる部屋で、隣席が葉に
遮
(
さえぎ
)
られて見えず、どの客も中央の楽団から演奏されて来る音楽だけを
愉
(
たの
)
しむ風になっていた。
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
五百坪ほどある庭を
蔓薔薇
(
つるばら
)
の垣で仕切って、南がわに母屋、北がわに研究所の建物がある、明治の末ごろに某ドイツ人が建てたのだという、木造だががっちりとした二階建てで
四年間
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なむまいだぶ……、なむまいだぶ……と、六蔵の念仏のみが、痛切に胸に
沁
(
し
)
み込んでくる。合掌して、焼け跡から折り取って来た生前遺愛の
蔓薔薇
(
つるばら
)
を供え、香を
焚
(
た
)
く。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
植木市と云っても本格的なものではなくてカアバイトの光と
撒
(
ま
)
き
水
(
みず
)
きりで美しく
粧
(
よそお
)
っている品物が多かった。でも値段が安いので、私は
蔓薔薇
(
つるばら
)
や、
唐辛子
(
とうがらし
)
の鉢植えなどを買いに行った。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
家の右手の方もまた、一面の芝生に
掩
(
おお
)
われて、処々に
蔓薔薇
(
つるばら
)
の絡みついた白ペンキ塗りのアーチや垣根が設けられて、ここにも白やピンク、乳白、紅、とりどりの花が一杯に乱れています。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
蔓
漢検準1級
部首:⾋
14画
薔
漢検1級
部首:⾋
16画
薇
漢検1級
部首:⾋
16画
“蔓”で始まる語句
蔓
蔓草
蔓延
蔓苔桃
蔓菁
蔓衍
蔓繩
蔓葛
蔓茘枝
蔓艸