蒸物むしもの)” の例文
四十九日の蒸物むしものを、幸さんや安公に配ってもらってから、その翌日あくるひ母親とお庄とは、谷中やなかへ墓詣りに行った。その日はおもに女連であった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ここにも家族の不倖と冷たさは筒井の心を悲しがらせ、彼女はさびしく笑い、多く働いてそれをまぎらせながら、作るものは温かく品高い蒸物むしものなどに皆を喜ばした。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
三十五日には見事な米饅頭よねまんじゅうと麦饅頭との蒸物むしものに茶を添えて近所に配った。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
米利堅粉めりけんこと玉子を入た蒸物むしもの、お芋のフライ、せんった煮物
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「お蒸物むしものは?」
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あんず蒸物むしもの 夏 第百四十三 赤茄子飯あかなすめし
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
牛乳ぎゅうにゅう蒸物むしもの 秋 第二百八 蒸し料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
薩摩芋さつまいも蒸物むしもの 春 第十八 芋料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)