はうむり)” の例文
ごろむつまじくかたり給ふ二二殿原とのばらまうで給ひてはうむりの事をもはかり給ひぬれど、只師が心頭むねの暖かなるを見て、ひつぎにもをさめでかく守り侍りしに、今や蘇生よみがへり給ふにつきて
「十日。晴。夜雨やう。今朝御出棺。西福寺さいふくじ自拝罷出じはいまかりいづ。」正寧のはうむりである。西福寺は浅草新堀端。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
幼き戸主の学ぶに先ちては食ふべきの急、食ふべきに先ちてははうむりすべき急、なほこれに先ちては看護医薬の急ありしにあらずや。自活すべくもあらぬをさなき者の如何いかにしてこれ等の急を救得すくひえしか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)