葬式ともらい)” の例文
彼奴きゃつ長久保ながくぼのあやしき女のもと居続いつづけして妻の最期さいご余所よそに見る事憎しとてお辰をあわれみ助け葬式ともらいすましたるが、七蔵此後こののちいよいよ身持みもち放埒ほうらつとなり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
可哀相に……お稲ちゃんのお葬式ともらいが出る所だって、他家よそでも最惜いとしくってしようがないって云うんでしょう。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
う云いやすなね、人はたのしみが無ければ成らぬ、葬式ともらいが有れば通夜にて眠い眼ですぐに迎い僧を勤め、又本堂へ坐って経を読むは随分辛いが、たまには芸者の顔も見たい
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だァれがたつか、お葬式ともらいにたつか」
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
「なったんじゃない……葬式ともらいにされたんだ。殺されたんだよ。だから言わない事じゃない、言語道断だ、不埒ふらちだよ。妹をえさに、どじょうが滝登りをしようなんて。」
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立派に葬式ともらいを出して上げたろう、お前は其の時十七だッたが、親方のお蔭で立派に孝行の仕納めが出来た、此の御恩は死んでも忘れないと涙を流してお云いだというじゃアないかね
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かわいそなこまどりのお葬式ともらいの鐘を。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
嬰児あかんぼが先に死ぬし、それに、この葬式ともらいの中だ、というのに、あによめだわね、御自慢の細君が、またどっと病気で寝ているもんだから、ああ稲がとりに来たとりに来たって、蔭ではそう云っていますとさ。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こまどりのお葬式ともらい
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)