花莚はなござ)” の例文
その女は綺麗きれいな、ちりめんの小枕こまくらに絹糸の房の垂れている、きじ塗りの船底枕ふなぞこまくらをわきによせながら、花莚はなござの上へ座ったままでいった。そばには大きな猫がいた。
いとひなくば其所そこひえれば此方こなたにてと座敷の中へ花莚はなござしかせて二個ふたりせうずるに此方は喜び有難ありがたき旨をのべつゝ上へ登り風呂敷包ふろしきづつみ解開ときひらき辨當を出し吹筒すゐづつの酒を飮んとなしけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)