芋莄ずいき)” の例文
蒟蒻こんにゃくを廊下へ敷いたり、生大根の片腕を紅殻で落したり、芋莄ずいきで蛇をり下げたり、一切そんな悪戯いたずらはしない事にしたんですよ。ですが、婦人だけも随分の人数にんずです。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
芋莄ずいきなびく様子から、枝豆の実る処、ちと稗蒔ひえまき染みた考えで、深山大沢しんざんだいたくでない処は卑怯ひきょうだけれど、くじらより小鮒こぶなです、白鷺しらさぎうずらばん鶺鴒せきれいみんな我々と知己ちかづきのようで、閑古鳥よりは可懐なつかしい。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)