芋茎ずいき)” の例文
安心して何でもおっしゃいまし、お帰りに重とうござえましょうが、芋茎ずいきでかく成りましたから五六ひっこ抜いてお土産にお持ちなすって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その芋茎ずいきのようなきんの束をピンセットで鋏んで示しているのはトゥルプ教授で、彼は当時オランダで一流の解剖学者であり、またレンブラントの保護者でもあった。
レンブラントの国 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
お前さんが子供の時には、ソラ、赤い芋茎ずいき御漬物おつけものなどが大好きで……今に吾家うちでも食べさせるぞや
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
但しこのとき鉄砲を携えた相助のくだりの挿話ひきごとで昔は旅人脅しに鉄砲と見せかけて夜半は「芋茎ずいきへ火縄を巻き付ける」ものあったと圓朝自身で、こうした事実談を説いているのはおもしろい。
其の芋茎ずいきへ火縄を巻き付けて、それを持って追剥おいはぎがよく旅人りょじんおどして金を取るという事を、かねて龜藏が聞いて知ってるから、そいつを持って孝助を威かした。
それに蝋茸ろうじのおろしあえ。け物。赤大根。おまんが自慢の梅酢漬うめずづけの芋茎ずいき
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
流れのふちには村の男女が抜いて来た許りの芋茎ずいきの根をば洗つてゐる。
巣鴨菊 (新字旧仮名) / 正岡容(著)