うで)” の例文
八、九年してから成が忽然こつぜんとして周の所へ来た。それは黄なずきんかぶり鶴の羽で織ったしょうを着た、巌壁のそびえたったような道士姿であった。周は大いに喜んでうでっていった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
小母さんのうでがちょいちょい写る。かんざしで髪の中をいているのである。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
庚娘は酒の器をさげてを消し、手洗にかこつけて室を出ていって、刀を持って暗い中へ入り、手さぐりに王のくびをさぐった。王はそのうでをつかんで昵声なれごえをした。庚娘は力まかせに切りつけた。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そこで女は寝台の上にあがり、きちんと着ていた衣服をゆるめて、うでにはめている腕釧うでわをあらわした。それは条金じょうきんで紫金の色をした火斉珠かせいしゅをとおして、それに二つの明珠めいしゅをはめこんだものであった。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)