能書のうがき)” の例文
それを、それほどにお察しがなく、べらべらと大魔術の能書のうがきを並べたり、承ったりしている金助と福村のかおしゃくにさわり
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「何さ、御苦労ともいわないで……。病人のくせに、能書のうがきばかりいっている」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四角四面の能書のうがきばっかり。別に地獄と書いてはないが。警察新聞探偵社なぞが。チャント中味を知り抜きながらに。知らぬ顔する不思議な商売。天下御免の扉の内側へ。ウカと片足入れたが最後じゃ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私がね、小さい時、万はもう大きなからだをして、良い処の息子の癖に、万金丹売のね、能書のうがきを絵びらに刷ったのが貰いたいって、革鞄かばんを持って、お供をして、嬉しがって、威張って歩行あるいただものを。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
能書のうがきはあとにして、金博士を骨にして見せて下され」
と春子さんは能書のうがきを述べながら御覧に入れた。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それを聞いていた米友の好奇心は、かなり右の読売りの能書のうがきで刺戟されました。米友は新撰組だの近藤勇だのということは、よく知ってはいませんでした。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女房は片膝立ちに腰を浮かしながら能書のうがきをいう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
能書のうがきはさしおいて、早くいえ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りが後藤だとか、毛唐だとか、縁頭ふちがしらが何で、鳶頭とびがしらがどうしたとか、目ぬきがどうで、毛抜がこうと、やかましい能書のうがきものなんでございましょうが、何をいうにも三下奴
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
前のに尾鰭おひれをつけて長々と、槍使い一代の履歴を述べ、さんざん能書のうがきを並べて見物に気を持たせておいて、口上が引込むと拍子木カチカチと、東口から現れたのがその印度人であります。
能書のうがきはあとにして、早く中をあけて見せておくれよ」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
奉加帳をひろげて、べらべらと能書のうがきを並べた末
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)