肌脱はだぬぎ)” の例文
肌脱はだぬぎの荒くれ男の影鬼の如く映れるあり、乱髪の酌婦の頭の夜叉の如く映るかと思へば、床も落つると思はるゝ音が為て、ドツとばかり笑声の起る家もあり。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
糸鬢奴いとびんやっこ仮髪かつらを見せ、緋縮緬ひぢりめんに白鷺の飛ちがひし襦袢じゅばん肌脱はだぬぎになりすそを両手にてまくり、緋縮緬のさがりを見せての見えは、眼目の場ほどありて、よい心持なり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
医学生は肌脱はだぬぎで、うつむけに寝て、踏返ふみかえした夜具やぐの上へ、両足を投懸なげかけて眠って居る。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
醫學生いがくせい肌脱はだぬぎで、うつむけにて、踏返ふみかへした夜具やぐうへへ、兩足りやうあし投懸なげかけてねむつてる。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)