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老媼
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ろうおう
ふりがな文庫
“
老媼
(
ろうおう
)” の例文
わたくしはそれを
問
(
たず
)
ねて見ないあいだは心の落着きをとり入れられませんので、
老媼
(
ろうおう
)
にこう尋ねて見たのでございます。
玉章
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
青年これによりてすでに
老成人
(
ろうせいじん
)
の思想あり、少女これによりてすでに
老媼
(
ろうおう
)
の注意あり、そは基督教は物の
実
(
じつ
)
を求めしめてその影を
軽
(
かろん
)
ぜしむるものなればなり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
行燈
(
あんどん
)
の
灯影
(
ほかげ
)
にうずくまりつつ老眼の
脂
(
やに
)
を払い払い娘のもとへこまごまと書き
綴
(
つづ
)
っていたであろう
老媼
(
ろうおう
)
の姿が、その
二
(
ふ
)
たひろにも余る長い巻紙の上に浮かんだ。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
されど殿下は神社に御参拝になると、いと御気軽に祐明門の傍にある
老媼
(
ろうおう
)
の茶店に御立寄になって、お伴の者に店にあったサイダーを下され、御携帯のお弁当をお開きになった。
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ドイツの民間に口から耳へと生きている古い「おはなし」を、その散逸または変形するにさきだってあまねく集録したもので、筆者は、山村
市井
(
しせい
)
の
老媼
(
ろうおう
)
などの口からきいたままを
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
▼ もっと見る
居合わせた人が、あわててその場にあった鉄瓶の湯をその
老媼
(
ろうおう
)
の口に注ぎ込んだ。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
九十余歳の
老媼
(
ろうおう
)
は、上唇をふるわせて、むしろ悲しむが如く、天井を仰いだ。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そのお言葉にはお礼を申しつくせないくらい、
忝
(
かたじけな
)
い思いがいたします。ご
老媼
(
ろうおう
)
さま、いまから後はえにしなき、わたくしどもではないことを承知あるように。」
玉章
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
西坂本の
庵室
(
あんしつ
)
に
隠栖
(
いんせい
)
する尼僧の母は、すでに六十歳を越した
老媼
(
ろうおう
)
であることを思う時、滋幹の心は自然冷めたい現実の前に出ることを尻込みしなかったであろうか。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この祖母の「思い出の画像」の数々のうちで、いちばん自分に親しみとなつかしみを感じさせるのは、昔のわが家のすすけた茶の間で、糸車を回している
袖
(
そで
)
なし羽織を着た
老媼
(
ろうおう
)
の姿である。
糸車
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そのうちに、一人の
老媼
(
ろうおう
)
が
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
媼
漢検1級
部首:⼥
13画
“老媼”で始まる語句
老媼茶話