あお)” の例文
女は年のころ十七、八で、あおい袖、あかもすそきものを着て、いかにもしなやかな姿で西をさしてしずかに行き過ぎました。
ドウダンツツジの葉と、背向きになって、あおい地紙に、あかっちゃけたが交ったようだ、何枚も、何枚も、描き捨てられた反古ほごのような落葉が、下に腐って、半ば黒土に化けている。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
山は青くひいでて、その下には深いたにをめぐらしていた。一行は木を編んで、嶮しい巌やあおい竹のあいだを渡り越えると、時に紅いきものが見えたり、笑い声がきこえたりした。