あを)” の例文
それは三叉のあをみがかつた漿果があつて種子を包んでゐる。そして、折々、これらの漿果の一つが大きな音響を発して爆裂する。
卓上演説 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
惣兵衛ちやんは矢を削つてしまふと、前垂まへだれからあをい削りくづを、はらひ落しながら、ふと紙鳶に眼をとめた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
そこには海底のやうにあをい弧灯の波をうけて、白と紅との芙蓉の花が神経的に顫へて居た。
市街を散歩する人の心持 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
肉瘤こぶで黒くて痘瘡あばたあり、あをい指環を嵌めたよなそのまなこ
白くてあをくてあぶらぎつたる