細心さいしん)” の例文
日々の心の生長する、膽ありて細心さいしん、己に慢ぜず、ことに女性を侮蔑せざる——そんなふうな人に生まれたし。(「現代」昭和八年三月)
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
つまり早くいえば、ロロー殿下は人類と接近するとき相手をおどろかすまいと思って、細心さいしんの注意をはらった外装がいそうをととのえているのであった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、長崎を立つ段になると、僕自身うつかり上野屋うへのや雨外套あまぐわいたうを忘れて来てしまつた。菊池の嬉しがるまいことか、忌々いまいましくも大笑ひをしていはく、「君もまた細心さいしんは誇れないね。」(同上)
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とりわけ、海上のメリー号に、関係のある漂流物ひょうりゅうぶつについて、細心さいしんの注意をはらって見つけてくれるようにと依頼した。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
細心さいしんの注意をはらっている。風上から進むことは、人間のにおいを恐竜の鼻に送ることになってまずい。だから風がかわって、風下になってから進もうというのだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こっちもこんどは一つ細心さいしんかつ沈着にいこうと努力をつづけてきたわけだが、たかが無電器械一つと思うのが、どうしたってこうしたって、うんともすんとも直りはしないのだ。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
貴方は、細心さいしんの注意を払ったにもかかわらず、柿丘氏の日記帳を処分することを忘れていた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
編集長「そうでもない。彼はあくまで大胆にして、あくまで細心さいしんさ。そうだ、今晩十一時から、プリストン大学でアインスタイン国防科学研究会議が開催される。君、そこへ行ってくれ」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
諸君は、それに細心さいしんの注意をはらっていなくてはならない。これは常識をこえたあやしい出来事だと思うものにぶつかったら、なにをおいても、検察当局へ急報するのが諸君の義務であると思う。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ケンは、がむしゃらのようでいて、細心さいしんであり、親切であった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は大胆にして細心さいしん経綸けいりんむと
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)