素性そせい)” の例文
暗に『千載集』以前の智巧的傾向をおさえ、近き世に再び姿がかわって「花山僧正かざんそうじょう在原ありはら中将・素性そせい小町こまちがのち、絶えたる歌の様わづかに聞ゆる時侍る」
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
我をとゞめて共に居らしめ、我を酔はしむるに濁酒あり、我を歌はしむるに破琴やぶれごとあり、ほしいまゝに我を泣かしめ、縦に我を笑はしめ、わが素性そせいげしめず、我をして我疎狂を知るは独り彼のみ
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
一体に巴里パリイ人の趣味が一方に雷同して傾く事なく思ひ思ひに自分の素性そせいの同感する所をえらんで自由に其れを研究したのしんで行く風のさかんなのが面白い。例へばこの装飾美術展覧会へ来て観てもうだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)