紙屑籠かみくずかご)” の例文
「僕も急いで差支さしつかえない。少し君の歩く方角へ急いでいっしょに行こう。——その紙屑籠かみくずかごを出せ。持ってやるから」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗像博士は、唇をんでしばらく黙っていたが、突然、白紙の束を紙屑籠かみくずかごに投げ入れると、決定的な口調で云った。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼は一度紙屑籠かみくずかごへほうり込んであった包み紙やひもや名あて札をもう一ぺん検査して見た。
球根 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
将軍は、にがり切って、その報告ではなをちんとかむと、紙屑籠かみくずかごへ投げこんだ。
車の一番上に積まれた紙屑籠かみくずかごにつめたランプのホヤがキラキラ光る。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その間にも、よく鼻をおかみで、紙屑籠かみくずかごはじきに一杯です。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
と頭を抱えて、狂気のように紙屑籠かみくずかご穿じくり出した。
葛根湯 (新字新仮名) / 橘外男(著)
眼鏡のふちから、斜めに宗近君を見ると、相変らず、紙屑籠かみくずかごって、揚々ようようと正面を向いて歩いている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
反故ほごだよ。何にもならないもんだ。破いて紙屑籠かみくずかごへ入れてしまえ」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それで法螺吹は大変おこって、巡査の服を脱いで、付け髯を紙屑籠かみくずかごほうり込んで、今度は大金持ちの服装なりをして出て来たそうです。今の世で云うと岩崎男爵のような顔をするんですとさ。おかしいわね
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「だがさ。紙屑籠かみくずかごの中へ入れてしまわなかったという事さ」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それじゃ、ちっと片づけよう。紙屑籠かみくずかごはどこにあるの」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)