筋張すじば)” の例文
バラーは直段ねだんやすい処で内ロースの半分位でしょう。ロース肉はシチュウにすると筋張すじばってかえっていけません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もとところにはやっぱり丈足じょうたらずのむくろがある、遠くへけて草の中へけ抜けたが、今にもあとの半分がまといつきそうでたまらぬから気臆きおくれがして足が筋張すじばると石につまずいて転んだ
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すっかり汗ばんだ広太郎、筋張すじばろうとするももを揉み、しばらく様子をうかがったが、ゆるゆると小路を先へ進んだ。碁盤目小路の一郭である。行っても行っても辻である。辻をまわると小路である。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
筋張すじばった、意地悪のリアリストだ。変ったなあ。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)