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笹啼
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ささなき
ふりがな文庫
“
笹啼
(
ささなき
)” の例文
父が書斎の
丸窓
(
まるまどそと
)
外に、
八手
(
やつで
)
の葉は墨より黒く、玉の様な其の花は
蒼白
(
あおしろ
)
く輝き、南天の実のまだ青い
手水鉢
(
ちょうずばち
)
のほとりに
藪鶯
(
やぶうぐいす
)
の
笹啼
(
ささなき
)
が
絶間
(
たえま
)
なく聞えて屋根、
軒
(
のき
)
、窓、
庇
(
ひさし
)
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
簪
(
かんざし
)
の玉のような白い花の咲く八ツ手の葉陰には
藪鶯
(
やぶうぐいす
)
が
笹啼
(
ささなき
)
している。
鵯
(
ひよどり
)
は南天の実を啄もうと縁先に叫び
萵雀
(
あおじ
)
と
鶺鴒
(
せきれい
)
は水たまりの苔を啄みながら庭の上に
囀
(
さえず
)
る。鳩も鳴く。
四十雀
(
しじゅうから
)
も鳴く。
写況雑記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
梢
(
こずえ
)
に高く一つ二つ取り残された柿の実も乾きしなびて、霜に染ったその葉さえ
大抵
(
たいてい
)
は落ちてしまうころである。
百舌
(
もず
)
や
鵯
(
ひよどり
)
の声、
藪鶯
(
やぶうぐいす
)
の
笹啼
(
ささなき
)
ももうめずらしくはない。この時節に
枇杷
(
びわ
)
の花がさく。
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
笹
漢検準1級
部首:⽵
11画
啼
漢検1級
部首:⼝
12画
“笹”で始まる語句
笹
笹藪
笹屋
笹縁
笹子
笹野
笹紅
笹鳴
笹山
笹穂