りゅう)” の例文
普通の声で「お前。支配人のりゅうさんと大森の警察署へ知らして頂戴ね。御飯はアトでいいから……」といううちに淋しくニッコリ笑ったという」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ともすれば無情を感じ、隠遁いんとんを好み、一りゅうじょう、全国の名所寺社でも行脚して歩いたら、さぞいいだろうと思うような、反世間的な、放浪的な気もちがあるものです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
間もなく彼は秀忠の前を退がった。秀忠からは、いろいろな心入れの賜物たまものがあった。しかし沢庵は、その全部を城下の禅寺へ寄託して、いつもの一じょうりゅうのすがたで帰った。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)