禅定ぜんぢやう)” の例文
旧字:禪定
どことなく湿りを帯びて冷々とする大気のなかに、草木はしづかに禅定ぜんぢやうにでも入つたかのやうに身じろぎ一つしない。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あるひは、ほとけ御龕みづしごとく、あるひひと髑髏どくろて、あるひ禅定ぜんぢやうあなにもつゝ、あるひ山寨さんさい石門せきもんた、いはには、ひとツづゝみなみづたゝへて、なかにはあをつてふちかとおもはるゝのもあつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)