神変しんぺん)” の例文
蛮流幻術ばんりゅうげんじゅつにたけて、きたいな神変しんぺんをみせる呂宋兵衛も、臆病おくびょうな生まれつきはあらそえず、語韻ごいんはふるえをおびて昌仙の顔をみまもっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狐や狸はばけるものであるとか、世の中に種々いろいろある怪物ばけものの詮索をするのをめてず我々人間が一番大きな怪物ばけもの神変しんぺん不思議な能力を持っていると喝破かっぱ
大きな怪物 (新字新仮名) / 平井金三(著)
このお話は、そういう出没自在しゅつぼつじざい神変しんぺんふかしぎの怪賊と、日本一の名探偵めいたんてい明智小五郎あけちこごろうとの、力と力、知恵と知恵、火花をちらす、一うちの大闘争だいとうそうの物語です。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
神変しんぺん不思議を示し
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ニッコと笑って、おかに立った咲耶子が、さッと一せん、笛をあげればかかり、二せん、さッと横にふればしりぞき、三せんすればたちまち姿をかくす——神変しんぺんふしぎな胡蝶こちょうの陣。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやいや、やつらは神変しんぺんふしぎの魔法使いです。建物の外へ出るまでもなく、あの二階の部屋の中で、何かのじゅ文をとなえながら、スーッと消えうせてしまったのかもしれません。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
敵は野武士のぶしといいながら、神変しんぺんふしぎな少女の陣法によってうごくもの、これすなわち奇兵きへいでござる。あなどってそのさくにおちいるときは、殿のおいのちとてあやうきこと明らかでござりまする
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)