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祗候
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しこう
ふりがな文庫
“
祗候
(
しこう
)” の例文
景陽宮の
深殿
(
しんでん
)
は、ここ
燿
(
かがや
)
く
祗候
(
しこう
)
ノ
間
(
ま
)
だった。
出御
(
しゅつぎょ
)
の
金鈴
(
きんれい
)
がつたわると、ほどなく
声蹕
(
せいひつ
)
の
鞭
(
むち
)
を告げること三たび、
珠簾
(
しゅれん
)
サラサラと捲き上がって
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神※の※の字は音「ぎ」にして
示扁
(
しめすへん
)
に氏の字を書く。普通に
祗
(
し
)
(氏の下に一を引く者)の字を書くは誤なり。祗は音「し」にして
祗候
(
しこう
)
などの祗なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
官符をかしこみ、
忩然
(
しようぜん
)
として道に上り、
祗候
(
しこう
)
するの間、仰せ奉りて云はく、将門之事、既に恩沢に
霑
(
うるほ
)
ひぬ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
分けても娘が関白の御前へ
祗候
(
しこう
)
するために常よりは濃い化粧をして身じまいをとゝのえる時、母親が示す細やかな注意と、行き届いた親切とには、ほと/\感激したのであった。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
山田博士は、「雪にうくづきまゐり来らくも」と訓み、「古は初雪の見参といふ事ありて、初雪に限らず、大雪には早朝におくれず
祗候
(
しこう
)
すべき儀ありしなり」(講義)と云っている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
蒼惶
(
そうこう
)
と、彼が参内するとまもなく、景陽楼の鐘が鳴り、
祗候
(
しこう
)
ノ
間
(
ま
)
には、ぞくぞくと、文武の群臣があつまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また都に
祗候
(
しこう
)
の主筋や
縁故
(
えんこ
)
を持つ
輩
(
やから
)
は、これまたぞくぞく、東国から京へと急ぎ、海道はそのため、西ゆく者、東する者、
櫛
(
くし
)
の歯を
挽
(
ひ
)
くが如しじゃと、いわれておる
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、北朝
祗候
(
しこう
)
の公卿たちの狼狽は目もあてられない。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“祗候”の意味
《名詞》
側近くに仕えること。
ご機嫌を伺うこと。
(出典:Wiktionary)
祗
漢検1級
部首:⽰
10画
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“祗候”で始まる語句
祗候人