碧緑へきりょく)” の例文
しばらくすると、このひでりに水はれたが、碧緑へきりょくの葉の深く繁れる中なる、緋葉もみじの滝と云うのに対して、紫玉は蓮池はすいけみぎわ歩行あるいていた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
碧緑へきりょくとも紫紺しこんとも思われて、油を塗ったような光沢がある。胴体はいかにも華奢きゃしゃであるが、手足はよく均衡が取れていて、行動が敏捷びんしょうである。
それに昆虫類や、魚類や、貝類等はその種類はなはだ多く、色彩は美麗を極め、博物学者の心をそそる所です。島の多くは珊瑚礁さんごしょうで、岸辺の浅い所は碧緑へきりょくの美しさを呈します。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それから手どくで白釉はくゆう碧緑へきりょくの色を流した花瓶——これは母堂の作である。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
少時しばらくすると、此のひでりに水はれたが、碧緑へきりょくの葉の深く繁れる中なる、緋葉もみじの滝と云ふのに対して、紫玉は蓮池はすいけみぎわ歩行あるいて居た。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)