研鑚けんさん)” の例文
それがしはすでに老年のこと、あなたはなお春秋に富む身、どうかそれを研鑚けんさんし、完成して、あなた独自の一流をおこして下さい。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋の日和ひよりと豊かな果樹園とに寄ってくるはえの群れしか君は見ていない。勤勉な蜜蜂みつばちの巣、働きの都、研鑚けんさんの熱、それを君は眼に留めたことがないんだ。
されば風早學士は、自然哲學者として甚だ説が多い。また研鑚けんさんも深い。雖然けれども學士はだヘッケル氏の所謂「熟せる實」とならざる故を以て其の薀蓄うんちくの斷片零碎をすら世に發表せぬ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
綾麻呂 有難ありがとう。充分に気をつける。お前も充分健康に留意して、無理をしない程度に、「文章もんじょうの道」を一生懸命に研鑚けんさんするんですよ。一日も早く偉くなって、お父さんを安心させておくれ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
そのとき次郎右衛門の年歯としはもまだ壮年だったから、修行中、安房の夷隅いすみ郡にのこしてあった老母も、やがて彼の新邸に迎えられたであろうし、以後、いよいよ道に研鑚けんさん
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝、昼、夜、時も選ばず師事し研鑚けんさんした。また伊勢守もまた、おしえをしまなかった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)