着替きがへ)” の例文
「氣のきかねえ事を言ふな、何のために質屋しちや暖簾のれんを掛けて置くんだ。俺の着替きがへをそつくり持つて行きや——」
「おやすみになるのに、お着替きがへがありますか。」といつてくと
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
拂ふ心なしとはいふものゝせめては此家の旅籠だけも後藤に聞せず拂ひたしとなほ種々さま/″\に相談なせしに妻のお梅は是までにもくしかんざしなどは追々に賣盡うりつくし今は着替きがへ一つ有而已あるのみなれども此上は其着替そのきがへにても賣代うりしろなし旅籠の代にあてんと申故市之丞も詮方せんかたなく然らば我等の着替羽織とも未だ之有これあるにより夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)