目戍まも)” の例文
やがてその黒き影の岡のいただきに立てるは、此方こなた目戍まもれるならんと、宮は声の限に呼べば、男の声もはるかに来りぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わがたま君がたまのみ目戍まもるときか。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その後影うしろかげとほすばかりに目戍まもれる貫一は我を忘れてしばらたたずめり。両個ふたりはその心を測りかねて、ことばでず、息をさへ凝して、むなしく早瀬の音のかしましきを聴くのみなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
満枝は色をして直行を打見遣うちみやりつつ、そのおもて引廻ひきめぐらして、やがてあらかた目戍まもりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)