“目叩(またゝ)” の例文
短(みじか)い冬(ふゆ)の日(ひ)はもう落(お)ちかけて黄色(きいろ)な光(ひかり)を放射(はうしや)しつゝ目叩(またゝ)いた。さうして西風(にしかぜ)はどうかするとぱつたり止(や)んで終(しま)つたかと思(おも)ふ程(ほど)靜(しづ)かになつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
思ふと一瞬の目叩(またゝ)きの間に伊藤は私に背向(そむ)いたのであつた。私は呆(あき)れた。この時ばかりは私は激憤して伊藤の変節を腹の底から憎んだ。私は心に垣を張つて決して彼をその中に入れなかつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)