白泡しろあわ)” の例文
なだらかな勾配こうばいのところ/″\に形の面白い石を配置し、落ちて来る水がそれらの間を屈曲くっきょくしつゝ白泡しろあわ立って流れるように作られてい
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
御者は縦横に鞭をふるいて、激しく手綱をい繰れば、馬背の流汗滂沱ぼうだとしてきくすべく、轡頭くつわづらだしたる白泡しろあわ木綿きわたの一袋もありぬべし。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬はせな、腹の皮をゆるめて汗もしとどに流れんばかり、突張つッぱった脚もなよなよとして身震みぶるいをしたが、鼻面はなづらを地につけて一掴ひとつかみ白泡しろあわ吹出ふきだしたと思うと前足を折ろうとする。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
獲物えものを、と立って橋のつめへ寄ってく、とふわふわと着いて来て、板とあしの根のき逢ったすみへ、足近く、ついと来たが、かにの穴か、蘆の根か、ぶくぶく白泡しろあわが立ったのを、ひょい
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)