白日まひる)” の例文
「やはり少し汽車に疲れたようだ。」とそう云った叔父は、あの室で毛布にくるまり乍ら白日まひる微睡まどろみをソファアの上に貪っているらしい、と彼は思った。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ボロ市過ぎて、冬至もやがてあとになり、行く/\年もくれになる。へびは穴に入り人は家にこもって、霜枯しもがれの武蔵野は、静かなひるにはさながら白日まひるの夢にじょうに入る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
白日まひるをわがせい香案つくゑ——君が
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
いずれか白日まひるの夢に似ざる。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
白日まひるあめあひしらひ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
光る白日まひるのうなべりに
真如 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
さめぬ白日まひるの夢に
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
白日まひるの夢のなぞもかく
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
白日まひるも夢見る村の一人の遊び人が、ある日樫の木の下の草地に腰を下して、水車の軋々ぎいぎいと廻るを見つゝ聞きつゝ、例の睡るともなくむるともなく、此様な問答を聞いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
白日まひるの花に飛びまどふ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
白日まひるの夢のなぞもかく
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
白日まひるの光かくれたる
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)