“登勢”の読み方と例文
読み方割合
とせ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
登勢とせは一人娘である。弟や妹のないのがさびしく、生んでくださいとせがんでも、そのたび母の耳をあかくさせながら、何年かたち十四歳に母は五十一で思いがけずみごもった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
輔之には登勢とせというむすめ一人ひとりしかなかった。そこでやまいすみやかなるとき、信濃しなのの人それがしの子を養ってとなし、これに登勢を配した。登勢はまだ十歳であったから、名のみの夫婦である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「医妙院道意日深信士、天明てんめい甲辰こうしん二月二十九日」としてあるのは、抽斎の祖父本皓ほんこうである。「智照院妙道日修信女、寛政四壬子じんし八月二十八日」としてあるのは、本皓の妻登勢とせである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)